イベント報告 みんなの写真展 2014

看板

被災者が未だ抱える多くの問題の中で、特に精神的なケアを目的として実施されたのが「みんなの写真コンテスト」。写真を通したコミュニケーションで人と人の心をつなぎ、市民が切り取った南相馬や相双地区のいまを広く伝えることを目的としたコンテストです。写真を撮る時って声をかけるじゃないですか。「もっと笑って」とか。それに応えて「こんな感じ?」という具合に。そこに生まれるコミュニケーションが、今も人々の心に残る震災の爪痕にじわじわ効くのだと思います。

ASAHIZA

12月7日(日)、写真コンテストの表彰式が福島県南相馬市の歴史ある映画館「朝日座」で行われました。この地にも自転車を楽しむ仲間がいるはずです。DE ROSA乗りだっているかもしれません。こんな想いとちょっとしたご縁が我々の背中を押して、微力ながら写真コンテストと写真展をお手伝いしています。「認定NPO法人フロンティア南相馬」主催の写真コンテストは、昨年に引き続き2回目の開催。昨年の応募総数を大きく上回る352作品の応募があったそうです。

さて、東京からの道のり。昨年は東北道経由でないと辿り着けなかった南相馬も、今年は常磐自動車道で約40㎞手前の富岡まで行くことができます。しかしそこから先はゴーストタウンでした。民家も店舗も鉄柵で囲まれ、家人であっても立ち入ることはできません。通行はクルマのみが許されます。二輪車は走ることができないので、とうぜんサイクリストの姿もありません。夜はまばらな街灯が道を照らしますが、住宅街であっても家の灯りはいっさい灯らない不思議な世界。「帰宅困難地域」なる看板が嫌でも目立ちますが、此処に住む人が帰宅する日は来るのでしょうか。そんな国道6号線を北上していると、突如として生活感のある街並みが姿をみせます。南相馬のいまって、こんなロケーションです。

13時、写真展の表彰式は時間通りに始まりました。19種類の賞が用意され、それぞれP&Gさんや田宮模型さん、ポケモンさん、いとうまいこさん、FARNESEさん、THE ALFEEさんなどなど、有名な人たちの名前を冠した賞と副賞が並んでいました。DE ROSA賞もこちらに名を連ねたわけです。ちなみに昨年のDE ROSA賞の副賞はMILANINO MINIMALE。会場で受賞者の奥様と再会して「大切に乗ってますよ」と言われたときにはホロリときましたよ。

そして今年のDE ROSA賞、副賞はMILANINO FreePop。日本未導入のモデルで、日本に1台だけしかないレアな自転車です。26インチでジャイロ機能を持ったハンドルで、BMXのように自転車を楽しんで欲しい、DE ROSAからの提案です。しかし自転車の性格上リアブレーキが付いていません。日本では乗ることができない仕様なので、DE ROSAの計らいでリアブレーキが取り付けられてから我々の手元に届きました。本来の性格は多少スポイルされましたが、この自転車が持つキャラクターとポップなカラーデザインの楽しさは変わりません。さて、FreePopは誰の手に渡るのでしょうか。

FREEPOP

応募作品、実に様々です。3歳のちびっこがスマホで撮った写真もあれば、完璧なプロ機材で挑む人もいたようです。しかしこの写真コンテスト、機材はあまり関係がないようです。DE ROSA賞も携帯カメラかコンデジか、どのように撮影されたかわかりませんが、その作品は思わず心が引き込まれるものでした。

DE ROSA 賞

DE ROSA 賞 作品名「再確認」                                                                       作品コメント  「4年の時が経って、少しずつ進んでいる復興。それでも、変わってないものがあります。進んでいないことがあります。撮影場所は原町高校。震災後から変わらないボロボロの廊下。手が拳になっているのは、耐え続けなければいけないから。真っ直ぐな視線は、今までを、これからを、自分を見つめ直して欲しいからです」

写真を撮ったのは作品中の生徒の友人である女子高生、伊藤さんです。写真の彼女の目力(めぢから)をもって、怒りなのか決意なのか、ともかく前向きの意思や感情を写真が伝えてきた気がします。ペダルをこいで前進する自転車の賞に相応しい写真だと思います。そんな彼女の想いを切り取った撮影者の女子高校生1年JK伊藤さん、GJです!

ビデオレター

DE ROSA賞には嬉しいメッセージが添えられました。Cristiano De Rosaさんから、受賞者と福島の皆さんに対する心がこもったビデオメッセージが贈られたのです。Cristianoさんからのひとことひとことに、嬉しそうに聞き入る会場の皆さんが印象的でした。

表彰式伊藤さんは学園祭で授賞式を泣く泣く欠席されました。代理としてお爺様がDE ROSA賞を受け取りましたが、壇上のインタビューで、津波でご親族を亡くされた話を伺い、なんともやりきれない気持ちになりました。

さて、MILANINO FreePopを手にした女子高生の伊藤さん、どのようにしてこの自転車を生活に取り込んでくれるでしょうか。自転車通学に使うかな。確かなことは、南相馬にふたりのDE ROSA MILANINO乗りが存在することです。

 

写真コンテストの作品は「みんなの写真展」で展示中です。まずは地元南相馬。イオンスーパーセンター南相馬店 特設会場(福島県南相馬市原町区大木戸金場77)にて、12月14日(日)まで。年明け1月には神戸で開催予定です。詳細は後日お知らせします。